この記事では、小学校受験の試験内容とその対策(勉強内容)をご紹介します。
それぞれ対策もできますので、内容を理解して対策を講じましょう。
小学校受験の試験内容は4種類
試験 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
ペーパーテスト | 言語、数量、常識、お話の記憶など | 私立の7~8割で実施、女子校は重視することが多い |
行動観察 | 運動、集団遊び、生活習慣など | 重視する学校が最も多い |
制作 | 工作、絵を描く、ダンスなど | 表現力や個性が見られる |
面接 | 面接形式:親子、親のみ、子どものみ、グループ | 時間は5~15分間ほど |
小学校受験の試験は上記の種類を組み合わせて行われ、その組み合わせは各学校ごとに違います。
小学校受験の試験内容:ペーパーテスト
「ペーパーテスト」とは筆記試験のことで、おもに読解力・思考力を評価されます。
- 言語
- 数量
- 常識
- お話の記憶
「ペーパーテスト」は私立の7~8割で実施され、重視する女子校が多いです。
筆記で回答する方法ではなく、口頭試問(面接のような形)で行う学校もあります。
ペーパーテストの分野は小学校受験に対応した通信教育でカバーすることもできます。
ペーパーテスト – 言語
「言語」は、国語の分野に相当し、物、動物、植物、言葉などの意味や読み方を正しく理解しているかどうかを評価されます。
言語では、次のような問題が出題されています。
- 「い」で始まる絵に〇、「く」で終わる絵に△をつける【同頭音・同尾音】
- 「かける」の絵に〇をつける(電話をかける、服をかける等)【同音異義】
- 「動物」や「植物」の絵を使ってしりとりをする【しりとり】
言語の勉強方法(対策)は、言葉の正しい発音と意味を覚えること、語彙力を増やすことです。そのためには子どもと会話する機会を増やしたり、本を読んだりすることが効果的です。
ペーパーテスト – 数量
「数量」ではおもに数を数える力、簡単な足し算・引き算ができるかどうかを評価されます。
「数量」では、次のような問題が出題されています。(一例)
- 絵の中で同じマークがいくつあるか数えてその数だけ〇をつける(数を数える問題)
- スイカとメロン、どちらが何個多いですか(数を比べる問題)
- りんごが2個食べたあとに4個残りました。最初に何個ありましたか。(足し算・引き算)
「数量」の対策としては、「数の感覚」を身に付けることです。そのためには、日頃のお手伝いや遊びの中で、日頃からものを数えさせたり、数を比較させることを習慣づけることが大切です。
ペーパーテスト – 常識
「常識問題」では、季節の行事、植物の種類、電車マナーといった日常生活の常識(知識)が問われます。
「常識問題」では、次のような問題が出題されています。(一例)
- 夏に咲く花の絵に〇をつける(植物)
- 鏡餅、クリスマスツリーの絵から季節を答える(季節)
- 道具やモノの絵を見せて、関係する職業の絵を選ぶ(職業)
- 童謡を聞かせてそれに出てきた絵を選ぶ(常識)
- 電車の中でやってはいけないことを答える(マナー)
「常識問題」の対策としては、日常よく目にすることの知識を幅広く身に付けることです。そのためには、植物や動物に触れさせる、季節の行事に触れさせる、昔話や童謡に触れさせることや、日常生活で親が子どもに色々な知識を教えてあげることが大切です。
ペーパーテスト – お話の記憶
「お話の記憶」では、おもに長いお話しを聞き取る力・記憶力を問われます。
「お話の記憶」では、次のような問題が出題されています。(一例)一定時間お話しを聞いた後に、そのお話しの中で
- お父さん(登場人物)は何をしたか
- 袋にパンにいくつ入っていたか
- 2番目に家に帰ってきたのは誰か
などが聞かれます。(回答は〇をつけるだけという学校も多い)
「お話の記憶」の対策としては、長い話を集中して聞く力を身に付けることです。そのためには、「絵本の読み聞かせ」が最も効果的です。お話に出てくる単語が何なのかを理解するためには、「知識」を幅広く身につけることも必要です。
小学校受験の試験内容:行動観察
「行動観察」には、次のような種類があります。
- 運動
- 集団遊び
- 生活習慣
「行動観察」は重視する学校が最も多いです。
行動観察 – 運動
「運動」では、基本的な運動能力と、指示を聞く力があるどうかを見られます。
「運動」では、次のような課題が出されます。(一例)
- ボール投げ
- 幅跳び
- かけっこ
- スキップ
- 平均台
- 跳び箱
- クマ歩き
- 鉄棒にぶら下がる
「運動」の対策としては、基礎体力・基本的な運動能力を身に付けること、人の話を聞き取る力を身に付けることです。そのためには、公園などで外遊びさせる機会を増やすことが効果的。体を動かすことが苦手な子は体操教室に通うのもひとつの手です。
行動観察 – 集団遊び
「集団遊び」では、社交性、ルールの理解、などを見られます。
「集団遊び」では、次のような課題が出されます。(一例)
- 先生と一緒に遊ぶ(ゲームや歌やダンスをする)
- お友達グループで共同作業(課題)や集団遊び(ゲームなど)をする
- お友達グループが2つに分かれて、チーム対抗戦のゲームをする
「集団遊び」の対策としては、社交性を身に付け、ルールの理解ができるようになることです。そのためには、公園などで子供同士で遊ばせる機会を増やしたり、ルールやマナーを守るように親がきちんと教えることが大切です。
行動観察 – 生活習慣
「生活習慣」では、しつけや正しい生活習慣が身についているかを見られます。
「生活習慣」では、次のような課題が出されます。(一例)
- 箸使い(ビーズを箸でつかんで移す)
- ぞうきんがけ、ぞうきん絞り
- ティッシュやハンカチを使う
「生活習慣」の対策としては、「しつけ・正しい生活習慣」を身に付けさせることです。そのためには「家のお手伝い」をさせることが一番です。「生活習慣」は女子校で多く実施されます。
小学校受験の試験内容:制作
「制作」には、次のような種類があります。(一例)
- 工作
- 絵を描く
- ダンス
「制作」では表現力や個性が見られます。
制作 – 工作
「工作」では、手先の器用さ(巧緻性)や、指示どおりに作業できるかなどを見られます。
「工作」では、次のような課題が出されます。(一例)
- のりやはさみで指示されたのものを作る
- 蝶結び(ちょうむすび)
- 紐通し(ひもとおし)
「工作」の対策としては、手先の器用さと、人の話を聞き取る力を身に付けることです。そのためには、日頃から多くの工作道具を使って遊ぶことが効果的です。親が指示したとおりに作らせるようにすると、指示を聞き取る力も向上します。
制作 – 絵を描く
「絵を描く」では、表現力や想像力、協調性などを見られます。「一人づつ絵を描く」「集団で絵を描く共同絵画」の2通りがあります。
「絵を描く」では、次のような課題が出されます。
- 指示されたテーマの絵を描く
- 自由に絵を描く
絵が上手な子が必ずしも合格するわけではありません。「絵を描く」の対策としては、絵を描く上での表現力や想像力を身に付けることです。
そのためには、普段から遊びにお絵かきを取り入れることで絵を描くことに苦手意識をもたせないようにし、表現力や想像力を発揮できるようにしておくことが大切です。
制作 – ダンス
「ダンス」では、リズム能力、バランス能力、連結能力などを見られます。
「ダンス」では、次のような課題が出されます。(一例)
- 映像の真似をする「模倣ダンス」
- 課題曲に合わせてダンスを作る「創作ダンス」
「ダンス」の対策としては、ダンスを通じてリズム能力、バランス能力、連結能力を高めることです。そのためには、体を動かしたり音楽を聴く時間を作ること、お友達の前でも恥ずかしがらずに踊れるようにしておくことが大切です。
テレビの幼児向けダンス番組がありますし、最近ではYouTubeでも幼児向けダンスの動画もあるので、家でもダンスの練習ができます。どうしてもダンスが苦手な子は、体操教室や幼児教室でもダンス対策をしているので通ってみるのもひとつの手です。
小学校受験の試験内容:面接
「面接形式」には、次のような種類があります。
- 親子
- 保護者のみ
- 子どものみ
- グループ
面接の時間は5~15分間ほどが一般的です。
小学校受験の試験内容の組み合わせ
小学校受験の試験内容は、学校によって組み合わせが異なります。
行動観察は私立、国立問わず重要視されていることから、内容を踏まえたうえで対策を行うと良いですよ。
私立小学校の試験の組み合わせ例
私立小学校の試験の組み合わせ例には次のようなものがあります(一例)
- ペーパーテスト、行動観察、親子面接
- ペーパーテスト、行動観察、制作、親子面接
- 行動観察、制作 ※ペーパーテストと面接なし
ペーパーテストである程度の結果を出さないと、2次試験(面接や行動観察)に進めない学校もあります。
国立小学校の試験の組み合わせ例
国立小学校の試験の組み合わせ例には次のようなものがあります(一例)
- 抽選 → ペーパーテスト、行動観察など → 抽選
- ペーパーテスト、行動観察など → 抽選
国立小学校では私立小学校とは異なり「抽選」があります。
小学校受験の試験時間、日数
- 試験時間:2~3時間ほどです。
- 日数:学校によって異なり、1日の学校もあれば2日間に分けて行う学校もあります。
小学校受験の試験内容まとめ
ペーパーテストを実施しない小学校(ノンペーパー校)は、採点基準が明確でない場合が多いため、対策を立てにくいことが多いです。
またペーパーテストで出題されるような回答を口頭で答える必要があるため、ペーパーテストよりも難易度が高くなることもあります。
ペーパーテストを実施する学校はその逆で、傾向と対策が立てやすいといえます。
コメント